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現場が好きだ!


 私は現場に行くのが大好きだ。実物をこの目で見て、世の中で起きていることを肌で感じることの緊張感、立入禁止の所へ入っていけるワクワク感、それを映像として残せる満足感。いずれも一度体験すると中毒になること請け合いだ。
 アドレナリンが出るのは、そういう撮影中のことなのだが、それとは別にちょっとした楽しみがある。撮影する為のタイミングを待っている時などに、現場のおっちゃん達の話を聞くことだ。
 タイミングを待っている間というのは、撮影する時間がどんどん減ってゆく時間でもああるのでイライラしたりもするのだが、こちらの都合でどうこう出来るたぐいのものではないのでそこはあきらめて、ベテランの方を見つけて話を聞くようにしている。でも、これが面白いのだ。
 大体、現場の人というのは、最初はあまりしゃべってくれないというか取っ付きにくいのだが、いろいろ質問をしているうちに、「それはね、」という感じで、次第にテンションが上がって来て、現場用語を駆使した説明をしてくれるようになる。それは、時に仕事へのこだわりだったり、妙にわかりやすい説明だったりして、世の中には出回っていないまさに「生」の情報だからだ。通常は、取材先を移動する途中などに広報担当者からお話を聞くのだが、やはり自分で手を動かしている人から出てくる言葉は説得力がある。
 ネットに限らず世の中は、情報であふれかえっているような印象を持つが、ふと冷静になるとこの中で一次情報ってどれくらいあるのだろうかとも思う。そんなことも思いつつ、現場のおっちゃんの話を聞けるのを楽しみにしている。時間の無い中で、待ち時間が発生するのは胃に悪くもあるが…。  


撮影風景,shooting,camera

安全帯をつけて撮影中の西澤。撮影に立ち会ってくださった方の話では、時々「世界に入っちゃってる」のだそうだ。  
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