写真集「DEMIURGOS」(デミウルゴス)発売のお知らせ。
2022年10月13日、写真家西澤丞の新しい写真集「DEMIURGOS」(デミウルゴス)が、キヤノンマーケティングジャパン株式会社から発売されました。
この写真集は、キヤノンマーケティングジャパン株式会社が発行している「PHOTOGRAPHERS’ ETERNAL COLLECTION」シリーズの第5弾となる、500部限定の写真集です。一般書店には流通しませんので、ご購入はキヤノンオンラインショップからお願いいたします。ただ、キヤノンオンラインショップから探していただくよりも、キヤノンさんのウェブサイト内の写真集「DEMIURGOS」紹介ページからオンラインショップにアクセスしていただく方が早いかもしれません。
写真集の内容について
さて、ここからは文体も変えて、僕なりに、この写真集を紹介してみる。
まず、この写真集は、ページをめくって驚いた。デジタル写真って、モニターで見ている時が一番きれいに見えて、紙に印刷したりするとイマイチな印象だったんだけど、この写真集は、開いたら、そこに「写真」があったんだよね。今まで作った写真集は、オフセット印刷なので、良くも悪くも普通の印刷物だし、家にあるプリンターで出力しても、感動するようなことはなかった。でも、この写真集は、印刷とかプリント出力って感じじゃなく、写真として目の前にあったんだ。しかも、自分の写真って、こんなに良かったんだって、思えるクオリティーだった。間違いなく、今まで作ってきた写真集とは、別物だ。
収録されている写真に関しては、ずっと前から撮りためてきたテーマをいくつも詰め込んだので、写真集2〜3冊分の密度になっている。それに、いつもの写真集なら構成に「〇〇が出来るまで」みたいなストーリーを組み込むので、説明用の写真も入っているんだけど、今回は、写真のかっこよさだけを重視してデザイナーさんに構成してもらったので、濃い写真のオンパレードだ。また、未公開の新規写真として、工場萌えの方々が「ラスボス」と呼んでいる工場の中で前例のない撮影をさせてもらった。つまり、全編にわたって西澤ワールド全開ってことだ。
なぜ、今、オンデマンド写真集なのか?
僕は、これまで商業出版の写真集を作る時には、多くの人に手にとっていただきたいという思いが強かったため、出来る限り低価格にして、文字や図版も積極的に掲載してきた。資料として購入してくださる人が多かったからだ。しかし、このような努力をしたとしても、昨今の出版不況の中では、僕が撮影しているようなちょっと変わったテーマの写真では、企画が通らなくなってしまった。僕が企画した写真集は、5冊のうち4冊が増刷になっているので、僕自身の成績は決して悪くないにも関わらずだ。業界に余裕がなく、守りに入ってしまっているんだろう。
出版社が、こういった状況なので、写真を発表する媒体としての写真集の役割は、もう終わったのかと思っていた。しかし、キヤノンマーケティングジャパンさんは、そんな僕の気持ちを知ってか知らずか、手を差し伸べてくれた。この写真集シリーズは、オンデマンド印刷を用いた受注生産となっているので、在庫を抱えるリスクがない。よって、トンがった内容のものでも扱ってもらえるというのだ。だから、僕は、写真集を大量に販売するために付け加えていた余分なものを、全部排除することにした。写真を情報として見ていただくのではなく、写真として見ていただきたいと思ったからだ。文字情報などは最低限にして、写真がかっこよく見えることを最優先とした。
このシリーズ写真集「PHOTOGRAPHERS’ ETERNAL COLLECTION」の企画には、写真の文化レベルを向上させたい、いい写真を残したいというキヤノンマーケティングジャパンさん熱い思いが込められている。デザインをしてくれた三村漢さん、編集をしてくれたMOSH booksさんも、写真に対する熱い思いにあふれている。結果として、私の写真集としては、今までにないハイクオリティーなものが誕生することになった。それが、この写真集「DEMIURGOS」だ。
写真集の仕様と価格について
仕様 240㎜×240㎜ ハードカバー 80ページ
印刷 DreamLabo 5000
価格 29,150円(税込・送料込)
サイン入りオリジナルプリント1枚つき(シリアルナンバー入り)
展示場所について
本写真集は、以下の場所で展示されています。
・キヤノンフォトハウス銀座
・キヤノンフォトハウス大阪
・キヤノンプラザS コミュニケーションスペース(品川キヤノンSタワー2階)
・キヤノンマーケティングジャパン名古屋支社 コミュニケーションスペース
・Nine Gallery (東京、アートディレクター三村漢氏が運営するギャラリー)
以上、写真家西澤丞の悪戦苦闘でした!