写真家西澤丞のZINE(自主制作写真集)制作記 第1回 なんでZINEを作ろうと思ったのか。

ZINEって、何?

ZINEとは、日本語で言えば同人誌にあたるもので、特に決まりがなく自由に作る雑誌、小冊子といったところでしょうか。出版社と一緒に作る商業印刷ではないので、普通の本屋さんには並ばない。よく言えば、限定生産品。または、知っている人しか入手できない、レア・アイテムってとこかな。最近は、出版社にお金を払って、少部数の本を作ってもらうことも増えてるみたいだから、商業印刷とZINEとの境界線は、結構、曖昧かも。

なぜZINEを作ろうと思ったのか。

いくつか理由があるので、箇条書きにしてみる。

1)数年前までは、写真集を出版すると、それが広報効果になって、新規の仕事につながっていた。しかし、現在は、出版業界全体が低調なので、僕のようなドキュメンタリーのジャンルでは、新しい写真集を出版しようと思っても企画が通らない(涙) だから、新しい仕事を獲得するためには、写真集の出版以外で情報発信をして、新たな流れを作らないとダメな状況になってしまっている。

2)出版社から本を出す商業出版では、完成してからでないと告知させてもらえなかったので、制作の過程を紹介することが出来なかった。これは、何かしらの事件や事故なんかがあって、出版停止となるリスクを避けてるんだけど、広報の観点からするとかなりのマイナス。一方、自主的な制作物であれば、制作過程における試行錯誤を含めて情報を発信できるので、読者に知ってもらう機会を増やすという点では、かなり有効だと思っている。

3)今は、いろいろな分野が、前例至上主義になっちゃってて、ドキドキやワクワクがない。そもそも、誰かがやったことをなぞったり、すでにある物をアレンジするなんて、クリエイティブじゃない。凋落してしまった日本を復活させるためには、クリエイティブの力が必要だと思っている自分としては、どうしたものかと思う訳だが、文句を言っていても仕方がない。ワクワクが見当たらなければ、自分で作るしかない。というか、自分で何かやった方が、絶対、楽しい。

4)写真集になっていない写真、つまり商業出版としては、企画が通らない写真が増えてきたので、何らかの形でまとめたくなってきた。モニターで見ているだけじゃなくて、形というか、物質にしてみたくなってきたと言ってもいいのかもしれない。プリントすればいいじゃないかという声も聞こえてきそうだけど、プリントしただけじゃ、なんか未完成な気がしてて、ちゃんと編集した状態にしてみたくなってきたんだよね。

自主的に冊子を作ってみようと思ったのは、こんな理由があったから。基本的には、クライアントや取材先に配布する目的なんだけど、欲しいという方がいらっしゃれば、販売したいと思う。欲しい人が、いればだけど…。

考えなければいけないこと

どこで印刷する?製本は?

プリンターで刷って自分で製本するという作り方もあるけど、自分の写真のテイストと、手作りで味のある感じとでは、ちょっと雰囲気が違う気がするので、印刷会社に頼んで印刷と製本をしてもらう方法を考えている。工業的な写真が多いので、カチッとした仕上がりの方がしっくりくると思うから。後は、業者さんの選定。これは、これで、難しそうだ。

販売の方法

イベントなどに参加して対面で販売するのであれば、問題はなさそうだけど、ネット経由で販売する方法はやったことがないので、これも調べなければいけない。最近、ネット販売に関するCMを見かけるので、そういうのを使えばいいのかな。

体裁

制作費や送料のことを考えると、大きさ、ページ数とも、映画のパンフレットのようなイメージになると思う。つまり、A4以下のサイズで、30ページ前後ってこと。紙は、あまり薄いと、物としての存在感がなくなってしまうので、ある程度の厚みが必要だと思う。判型は、写真が見やすいように横(短辺を綴じる)にしたいんだけど、ネットの印刷業者さんを調べてみると、横の判型でB5とかA4にすると、値段が高くなってしまう…(涙)B5サイズで長辺を綴じてカレンダーのようにめくる方式だと、一番安い業者さんで、オンデマンド印刷、28ページ、50部で2万円弱くらい。かなりリーズナブル。昔は、印刷って1000枚くらいからスタートで、めっちゃ高かった記憶があるんだけど、随分、変わっているみたい。ただ、オンデマンド印刷って、品質は、どうなんだろ?試作が必要かも。

終わりに

今、考えているのは、こんな感じ。先に考えなきゃいけないことがあるのに、ついつい構成なんかも考えちゃった。構成を考えるのは、写真を撮ることの次に面白いんだよね。

以上、写真家西澤丞の悪戦苦闘でした!