ZINE(自主制作写真集)制作記 第2回 ZINEを印刷会社さんと一緒に作ることになった!

第1回目の記事は、こちら。

加藤文明社さんと共通の認識を持つために作った企画書。

はじめに

 当初、ZINEの印刷は、ネットの業者さんにお願いしようと思っていたんだけど、ふと、仕事でご一緒したことのある印刷会社、加藤文明社さんを思い出し、「こんなことを考えてるんですけど…。」と相談してみたところ、「一緒にやりましょう!」ってことになった。思い出してよかった!相談してよかった!

ZINEの企画書を書いてみた

 ということで、早速、企画書を書いてみた。誰かと一緒に仕事をする時には、みんなが同じ方向を向く必要があるので、企画書は必須。ただし、書き方は我流なんで、もっといい書き方があるかもしれない。ここでは、項目だけをご覧いただくが今回の企画では、新規顧客の獲得と認知度向上が共通の課題としてあったので、その部分をていねいに書いてみた。自分の場合は、今回に限らず、単に物を作って終わりじゃなくて、作ることによって何かしらの問題を解決したいと、いつも考えている。じゃないと自己満足で終わっちゃうから。

印刷会社さんと一緒にZINEを作ろうと思った理由

加藤文明社さんに声を掛けた理由は、三つある。

1)印刷工程の謎を解明するため。
 ひとつ目の理由は、僕の中でずっとブラックボックスになっていた印刷の工程を、この機会に知りたいと思ったから。ネットの印刷会社に頼めば、企画書なんて書かずに済むから、安くて早いのかもしれなんだけど、せっかく自主的な活動としてZINEを作るなら、ただ作って終わりじゃなくて、印刷に関する謎を解消することも盛り込んだ方が、面白くなるんじゃないかと思ったわけだ。
 過去に商業出版で何冊か本を出しているんだけど、自分と印刷会社さんとの関わりって、色校正(試し刷り)に対して意見を言うことと、印刷機を操作するオペーレーターさんに意見を言うことだけでしかなかった。でも、印刷の工程で一番大事なのは、RGBのデータをCMYKのデータに変換する工程で、それをやってくれるオペレーターさんの腕次第なんだよね。このオペレーターさんと相性が悪いと、いい感じの仕上がりにならない。それがわかっていても、印刷会社さんは、変換する作業を見せてくれないし、オペレーターさんに会わせてもくれない。これが、ずっとモヤモヤしていた。そんな中で、加藤文明社さんだけは、打ち合わせの場にオペレーターさんが同席してくれて、意見をきちんと聞いてくれた。これが大きい。その時の本は、ものすごく印刷がスムーズで、仕上がりも納得できるものだった。「印刷の立会い」って、印刷機で刷る時のことを指すんだけど、印刷する時には、1枚の紙に何ページ分もまとめて刷るから、その段階で1枚の写真の色を調整しようとすると、他の写真を犠牲にしなきゃいけない。だから、刷る段階では、全体の色の濃さは指示できても、それ以外は、あんまり意味がない。データを作る段階できちんとしたものにしておくのが、とっても大事。なので、印刷の工程を、きちんと把握するためにも、印刷会社の人と一緒にやってみたいと思ったんだ。
 「刷り」以外にも、自分が作っている写真のデータが、本当に印刷に適しているのか、紙の種類と印刷の相性、版下のきちんとした作り方なんかも気になるところだ。商業的に写真集を作る時は、出版社さんが仕切ってくれるので、なんとなく出来上がって来たけど、何か工夫をしたらもっといい仕上がりになるんじゃないかって、ずっと気になってたんだよね。

2)加藤文明社さんが、声を掛けやすい会社だったから。
 二つ目の理由は、加藤文明社さんの窓口になっている営業さんが、現場出身の人で、かつ、話しかけやすい人だったこと。僕は、小心者なので、尊大な態度の印刷会社の人には声を掛けられない。大きな印刷会社は、値段が高いって雰囲気もあるしね。もし、そういう会社しか知らなかったら、印刷会社さんに相談するなんてことは考えず、ネットの業者さんにお願いしてたはずだ。

3)一人で実行しても、広がらないし、つまらない。
 三つ目は、一人で作っていたら、自分の人脈以上には広がっていかないってことに気がついたから。沢山の人に見てもらいたいなら誰かと一緒にやったほうがいいし、組むのであれば、まずは加藤文明社さんかなと思ったんだ。ZINEは、何冊かを継続して出すつもりなので、その過程を通して、興味を持ってくれる人がいれば、一緒にやっていけばいいと思ってる。実際にどんなことができるかわからないけど、気になる人がいれば、こっちからも声を掛けるし、掛けてもらいたいと思っている。

加藤文明社の平井さん(左)と三河さん(右)。企画を検討してもらうための最初の会議は、めちゃくちゃ楽しかった。コロナじゃなかったら飲みに行ってる(笑)

おわりに

 加藤文明社さんは、atelier grayという部署を持っていて、少部数の案件とか通常の印刷とは異なる案件は、そこが受け持っている。この企画も、そのatelier grayでの案件となる。どんなところなのかは、今後の制作記で紹介する予定。

加藤文明社さんのウェブサイト

以上、写真家西澤丞の悪戦苦闘でした!