加速器の写真を解説文とともに紹介します。

高エネルギー加速器研究機構(KEK)、大強度陽子加速器施設(J-PARC)、理化学研究所・仁科加速器研究センターで撮影した、加速器や検出器の写真を掲載しています。

高エネルギー加速器研究機構のBelle測定器の画像

2005年に撮影したBelle測定器です。この測定器は、現在(2020年)では、後継のBelle2測定器に置き換えられています。この写真を撮影していた頃は、まだフィルムカメラ(キヤノンNewF-1)で撮影し、撮影後にスキャナーで読み込んでデータ化する方法をとっていました。撮影地:高エネルギー加速器研究機構(KEK)

KEKの前段加速器の画像

前段加速器です。陽子を加速するためには、さまざまな加速器を使って少しずつ速度を上げてゆくのですが、その一番最初に設置されている加速器です。この加速器により、光速の4%まで加速させます。 ただ、2020年現在は、加速器としては、使われていません。これを初めて見たときは、1960年代のSF映画に出てきそうなフォルムに驚きました。「本当に、あったんだ!」まさに子どもの頃に思い描いた通りの装置です。撮影地:高エネルギー加速器研究機構(KEK)

大強度陽子加速器施設で撮影したT2K実験の画像

茨城県のJ-PARCから岐阜県のスーパーカミオカンデまでニュートリノを打ち込んで、その性質を調べる実験が行われています。そして、この装置は、ニュートリノを打ち出す装置の一部です。このような写真を撮る時は、一人でフラフラと撮影するわけではなく、必ずどなたかの立会いのもとに撮影をします。この時、案内してくださった博士は、「税金で建設している施設ですので、研究者は納税者である国民に対して何をしているのか説明する義務がある。」とおしゃっる方で、取材にもとても協力的でした。この設備に関してもビーム砲の砲身のみたいなものだとわかりやすい表現で説明をしてくださいました。ありがとうございました。撮影地:大強度陽子加速器施設(J-PARC)

研究施設の実験装置の画像

ニュートリノのビームを収束させる為の電磁ホーンという装置。ここには、電磁ホーンが三段構えで置かれていて、この写真は、それらを設置する作業中に撮影させてもらいました。撮影地:大強度陽子加速器施設(J-PARC)

T2K実験の実験装置の画像

こちらも電磁ホーンの設置中に撮影させていただいた写真です。ここは実験が始まってしまうと放射化されてしまうため人が立ち入ることが出来ません。つまり、もう二度と撮れない写真ということです。完成後に装置を整備する必要がある時には、遠隔操作で作業を行います。撮影地:大強度陽子加速器施設(J-PARC)

研究所の実験装置の画像

電磁ホーンを冷却する為のパイプです。パイプが曲がっているのは、ビームを発射した時の衝撃を避ける為です。実際に運転中に訪れた時には、分厚いコンクリートの壁の奥から「コーン」という音がしていたので、かなりの衝撃なんだと想像されます。撮影地:大強度陽子加速器施設(J-PARC)

ヘルメットの画像

加速器が設置されているトンネルの手前に並んでいたヘルメット。持ち主が思い想いの書き込みをしていて面白いです。ちなみに、この研究施設の加速器が置いてある場所は、放射線管理区域になっていますので、放射線量を測定する機器を持って入場することになります。撮影地:大強度陽子加速器施設(J-PARC)

加速器の画像

加速器の収束用電磁コイル(茶色の部分)と真空ダクト(金属の部分)を撮影しました。この施設は、上から見るとおむすびのような形をしたトンネルに加速器が並んでいて、そこを陽子がぐるぐる回りながら加速する仕組みになっています。加速器は、大きく分けて、陽子の加速に使う装置とカーブ部分などでの拡散を防ぐために収束させる装置で構成されています。撮影地:大強度陽子加速器施設(J-PARC)

加速器の画像

3GeVシンクロトロンのビーム取り出し部。大強度陽子加速器施設では、加速した陽子を異なる施設に引き込んで様々な実験が行われていますので、このような取り出し口が複数存在します。一度、おむすびの形をしたトンネル(50GeVシンクロトロン)を歩いてみたことがありますが、一周が1600メートルもあって、同じような景色がずっと繰り返されますので、自分がどこにいるのかさっぱりわからなくなりました。撮影地:大強度陽子加速器施設(J-PARC)

T2K実験の前置測定器の画像

T2K実験に使うニュートリノ実験施設で、前置検出器を製作しているところを撮影しました。この後、中央部分に検出器が設置され、左右の赤いコイルが閉じられます。前置検出器とは、ニュートリノビームをスーパーカミオカンデに送る時に、送り出し側でビームの質を確認する為の装置です。ニュートリノは、地球もすり抜けてしまうような粒子ですので、地下に装置があっても関係ないのです。撮影地:大強度陽子加速器施設(J-PARC)

線形加速器の画像

イオン源(画面の奥の方)の直後に配置された線形加速器です。ここで加速された後、3GeVシンクロトロン、50GeVシンクロトロンの順番で加速されます。撮影地:大強度陽子加速器施設(J-PARC)

理研の実験装置の画像

理化学研究所のfRC 固定加速周波数型リングサイクロトロン。この施設では、線形加速器と複数のサイクロトロンを使ってウランに至るまでの様々な原子核を光速の70%まで加速させることが出来ます。撮影地:理化学研究所 仁科加速器研究センター

さて、ここまで加速器関連の写真をご覧いただきましたが、今まで撮影したものの中では、加速器の説明が一番難しく、博士にお話を聞いてもなかなか理解出来ませんでした。ただひとつ耳に残ったのは、「小さなものを見ようとすればするほど、観察するための装置が大きくなる。」という博士の言葉です。原子核やニュートリノのように、とても小さな粒子を観察しようとすると、実験装置が、ここに掲載した写真のように、ものすごく大きなものになってしまうようです。

※ このウェブサイトでは、写真を展示したギャラリーページも用意してありますが、そちらはLightbox形式で表示していますので、ポータルサイトの画像検索の対象になりにくいようです。そこで、写真が検索の対象になるように、このようなページを設定しています。ご了承ください。