キヤノン製プリンターPRO-10Sの使用感

 エプソン製のPX-5V(修理受付終了品)が壊れてしまったので、新しくキヤノン製プリンターPRO-10Sを購入しました。そこで、忘れないうちに、PRO-10Sを使ってみた印象を書き留めておこうと思います。この記事は、あくまでも私の作業環境下で、主観によって書いているものです。また、印象での話をしていますので、数字的に正しいかどうかを書いているものではありません。あらかじめご了承ください。

 さて、何枚かプリントした印象では、概ねモニターに表示した写真に近いものが出てきます。ただ、細かく見てゆくと調整が必要になるようです。なお、モニターはキャリブレーションをした上で作業しています。作業環境の詳細は、以前の記事「デジタル写真の現像って、何をするの?」をご覧ください。

色や明るさについて

 私は、フォトショップ経由で出力していますが、今まで出力した絵柄に関しては、以下の調整レイヤーを重ねて出力すると大体、モニターと同じになるようです。

1)トーンカーブ
 絵柄の濃さによっても違ってくるようですが、以下の図のようなトーンカーブを適用してみました。プリントでは、シャドー部の諧調が良く出るのですが、それが逆に、コントラストが弱い印象になってしまうようですので、シャドー部がちょっと濃くなるように設定してあります。中間調は、絵柄が暗い場合、若干持ち上げた方がいいかもしれません。

2)色相と彩度
 そのまま出力してしまうと、若干地味な印象となるようです。私は、彩度を+10くらいにしてみました。

3)カラーバランス
 中間トーンのシアンとレッドの部分を+6程度にすると見た目の印象が同じになるようです。

 なお、実際にレイヤーを重ねる順番は、トーンカーブが一番下で、その上に色相と彩度、一番上がカラーバランスとなっています。画像を直接編集してしまうと、結果が思わしくなかった場合に、そこからさらに調整してしまうと画像が劣化してしまうからです。

出力後の安定について

 色については、出力後すぐでも安定しているようです。明るさについては、20分くらい経てば、出力後24時間経過したものとの差が、ほとんどなくなります。1時間もおけば見分けがつかなくなる印象です。冬に作業しての印象ですから、夏であれば、もっと早く安定するのかもしれません。

インクの減り具合について

 同梱されていたインクのブラックは、A3サイズを10枚くらいプリントしたところで空になりました。私の写真は黒い部分が多いってこともありますが、これはテスト用のインクかもしれませんので、今後の様子見といったところです。

 以上、写真家西澤の悪戦苦闘でした!